ドライマウスって 2012.02.01
最近話題の現代病 ドライマウスは、口腔乾燥症とも言われ、お口の中や喉の渇きを主訴とする症状が現れます。近年、中高年を中心に患者数が急増し、特に男性よりも女性に多く現れやすい症状です。また、お口以外にも眼、鼻、皮膚といったさまざまな器官の乾燥症状を併発する”ドライシンドローム”の病態解明も急務とされてきています。
軽度な症状として
主にお口の中のネバネバ感、虫歯、歯垢、舌苔の増加、それに伴った口臭も現れます。
重度になると
唾液分泌量が、低下し渇きか進行すると、強い口臭、舌表面のひび割れ、割れた舌の痛み、いわゆる舌痛症で食事が取れなくなる摂食障害、しゃべりにくいなどの発音障害もあらわれます。場合によって不眠を起こすこともあります。
自己免疫の異常(自己免疫疾患)によるドライマウスの症状が現れるものをシェーグレン症候群といい、全身に様々な障害を引き起こすことがあります。
~ 原因 ~
1. 食生活
唾液を十分に出さなくても飲み込めるようなファーストフードや食事が主流になってきて、このため唾液の分泌が従来よりも少なくなってきています。
2. 精神的ストレス・緊張
ストレスがかかったり、緊張すると交感神経が刺激され唾液の分泌が抑制されます。気分転換をし、楽しくゆとりある生活を心がけましょう。
3. 薬物
抗うつ剤、鎮痛剤、抗パーキンソン剤、降圧剤などの多くの薬物の副作用として唾液分泌の低下があり、薬の量を減らすなど担当医と相談をお勧めします。
4. 年齢によるもの
年齢とともにお口の中や顎の筋力が、低下し萎縮がおこり唾液の分泌量が低下します。
5. お口で呼吸する(口呼吸)
鼻炎などの鼻疾患や噛み合せ、癖などで口呼吸すれば、唾液は蒸発してしまい、お口が渇く原因となります。
6. その他
浮腫、脱水症、糖尿病、シェーグレン症候群、放射線、骨髄移植、など。
~ 治療法 ~
生活指導や対症療法が中心です。お口の中の粘膜保護が必要なことから保湿の高い洗口液、保湿ジェル、スプレーによる噴霧、夜間の乾燥を防ぐ保湿用マウスピースなどを症状に応じて処方、投与します。
当クリニックのオリジナルジェルもお勧めです。
その他
ガム療法、味覚刺激療法、唾液腺マッサージ、シェーグレン症候群では、内服薬と症状に応じた保湿性薬剤などを投与します。前回はお口の中からの唾液を出しやすいマッサージの仕方をお話しましたが、今回はお口の外から、手軽にできる唾液腺のマッサージの仕方をお教えいたします。
唾液の発生源である唾液腺は、お口の内外に多く分布していますが、中でも ①耳下腺、② 顎下腺、③ 舌下腺は大唾液腺と呼ばれ、多量の唾液が作られ蓄えられています。お口の粘膜の下には、無数の小唾液腺があり、ここからも唾液が分泌されます。
耳下腺のマッサージは、このように耳たぶのあたりから頬骨の下あたりまで軽く押していきます。
これを10回ぐらいくりかえします。
顎下腺は、このように下顎の後ろの角の部分から前へ親指の腹で押していきます。10回ぐらい。
舌下腺はこのように親指の腹で下から押し上げます。10回ぐらい。
マッサージの効果は個人差があると思いますが、やってみてはいかがですか。
唾液がじわっと湧き出るのが実感できますよ。
舌苔 2012.01.01
舌苔(ぜったい)は、舌に付着する白い苔状のもの。舌の上皮が伸びたものに細菌や食べかす粘膜のカスが付着したもののことです。
それは、細菌の死骸・脱落した粘膜上皮、タンパク質は、細菌によって分解されると発揮性云硫黄化合物を発生させます。これが臭いの原因になります。
健康な状態の舌は、てかてか光った感じではなく潤いがあり血液の色が透過して薄いピンク色をしていて、表面はビロードの布地のようなざらついた、うっすら白い舌苔がついています。
舌の周りと先端には舌苔がなく、舌先1センチぐらいの位置から奥に向かって薄い白い舌苔が付着しています。一日の中でも、体調などによっても舌苔の量は変化します。
たとえば、寝起きなどは、全体が白っぽく見えます。舌の表面の沢山の舌乳頭が表面粘膜を覆っているので、白っぽくも見えます。年齢とともに白さが増し、さらに年齢を重ねると舌乳頭がなくなり舌表面がつるつるになってしまうことがあります。
この場合、味覚障害が起こったり口腔内乾燥が起こったりするようになります。
舌苔の色である程度の状態が予測できます。
1. 舌苔が黄色い場合
全身的・病的・もしくは歯周病などの可能性があります。タバコやコーヒーの飲みすぎ、口呼吸などの悪癖、老化が考えられます。
2. 白い場合
アレルギー(花粉症・慢性鼻炎・喘息・マストセルサイトーシス)などの関連を考えます。
3. ピンク色で舌苔がない場合
医学的にこのような舌を「紅舌」といい舌全体が熱っぽく、酸っぱいような口臭がしたり、ピリピリするような感じがしたり味覚障害を引き起こすこともあります。原因として内臓の病気や栄養状態が悪いことが多いようです。
4. 黒っぽい場合
長期間に渡り抗生物質を服用していると黒っぽい舌苔が付着することがあり、これを「黒毛舌」といい、薬の服用による可能性が高いです。
では、どうやって舌苔をとったらいいでしょうか? どれくらいとればいいでしょうか?
実は、歯ブラシでゴシゴシ擦る取り方は舌の表面を傷つけてしまうので、行わない方が望ましいです。
・舌苔の取り方は、舌に負担がかかりにくいように開発された専用のブラシなどを活用すべきだと思います。ポーラ様から新発売になりましたシルクブラシがお勧めです。舌の表面には小さな突起状の乳頭がびっしり生えています。乳頭の下部には、味蕾という味を感じる組織があり、乳頭間のスペースには唾液を蓄える役割があります。
なので、強く舌を掻きだすと舌乳頭も同時に掻き取られ舌の表面は、つるつるの状態となり大切な唾液を蓄えることができなくなってしまいます。
またこのようになると、口臭の原因にもなります。
・研磨剤、界面活性剤の入った歯磨き剤は中止しましょう
・舌を口蓋に押し付けたりしてご自分のお口の中でごしごしするのも効果的です。
・食事や生活の改善を図り咀嚼回数を上げるのも正常に保つ心がけです。
最近、キウイフルーツ由来のプロテアーゼ(たんぱく質分解酵素)「アクチニジン」という物質が舌苔の除去に効果的なことがわかってきたので、食後、キウイなんか頂いてみてはいかがでしょうか。
歯科用マイクロスコープ 2011.12.25
・・ 治療のクオリティを高めるために ・・
マイクロスコープとは、歯を拡大してみる事の出来る実体顕微鏡の事です。
アメリカの根管治療専門医には必須となっているマイクロスコープですが、日本では現在使用している歯科医院は50~60件に1件というのが現状だそうです。
マイクロスコープを使用する事によって肉眼で見る事のできない歯の細かい凹凸や、隠れた根管補綴物のフィットの状態など様々な事が分かるので診断能力が大幅に向上し、より精密な治療を行う事ができます。
当クリニックは、LEDを用いた世界初のシステム構成により、顕微鏡観察に新しい次元を開拓したライカM320を使用しています。LEDビームで口腔内を照らし高精細レンズで微細な部分まで観察することができます。
内蔵型HDカメラにより、簡単なリモコン操作で動画、静止画を記録したり、マイクロスコープでみた映像をモニターに写して患者様に見てもらう事もできるので、患者さんへのコンサルテーションにも大きな威力を発揮します。
グレードの高いこのマイクロスコープは、色の再現性、スコープの機動性などに優れています。
治療のメリットとしては、
・最大20倍まで拡大して見ることができます。
・審査、診断の精度が高められる。
・精密な治療が行える。確実性の高い治療へと繋がる。
・治療中の状況をモニターに映すことができる。
・治療をリアルタイムで見ることができる。
・治療の写真や動画を記録してあとから見ることができる。
新しい顕微鏡歯科の時代がやってきました。
スポーツマウスガード 2011.11.01
私は、スキューバダイビングをしますが、海の中で特に潮の流れが強い所ではレギュのセカンドステージ(口にくわえて空気を吸うもの)が、口から外れそうになることがあります。このためぐっと、くいしばり外れないようにしますが、浮上しボートの上で休んでいると 顎が痛くなることがあります。水中では、水圧もかかります。
今回、ちょうどマウスピース矯正していたのでそのまま海の中でも遣いましたが、結果、顎が全く痛くなりませんでした。
スポーツマウスガードは、ダイビングにも有効です。
スポーツマウスガードの必要性は、
1. 顎の関節を保護
顎関節への衝撃を緩和し顎関節症の予防、軽減をします。
2. 外傷の予防
外から受ける歯や顎、お口周りへの衝撃を吸収し怪我を防ぎ、自分の歯でお口の中を切ったり、相手を怪我させたりすることも防ぎます。
3. 顎の骨折予防
クッションになるため歯との噛み合せている接触面積が広がることにより衝撃が分散され顎関節の保護や骨折の予防にもつながります。
4. バランス感覚の向上
衝撃を受けないスポーツでも装着することによって正しい噛みあわせの位置が保たれるため、ずれている噛みあわせを補正することで余分な負担を軽減し、運動能力がのびたり、故障が少なくなり、運動パフォーマンスの向上につながりますし、上下の歯の接触面積が広がるので、筋力、身体の反応アップにつながります。
5. 心理的な安心感
自分の歯が ガードされているという安心感により積極的なプレーが出来る効果があります。チームカラーで揃えるとチームの統一感が向上する事も。
【マウスガードの装着が義務化されているスポーツ】
アメリカンフットボール
キックボクシング
ボクシング
ラグビー
【マウスガードの装着が一部義務化されているスポーツ】
アイスホッケー
インラインホッケー
空手
ラクロス
【マウスガードの装着が有効なスポーツ】
ウェイトリフティング 柔道 スキー
スノーボード テニス バレーボール
レスリング サッカー 水泳
スケート バスケットボール ハンドボール
自転車 スカッシュ スケードボード
相撲 ソフトボール バドミントン
野球
当クリニックでは、スポーツライフを応援するために歯型を精密に採取したオーダーメイドマウスガードを製作しています。
南カリフォルニア大学客員研究員に任命されました。 2011.10.15
鈴木仙一先生主幹する南カリフォリニア大学ジャパン・プログラムでの様子や卒業式をご紹介いたします。
{ 講内の様子 }
USCのキャンパスです。
{ センチュリークラブ }
センチュリークラブの会員になったので、教室の前に名前が刻まれます。
{ 講義の様子 }
麻酔から審美治療から日本の数倍も進んだ講義が展開されます。
{ 院内の様子 }
大学の各科の診療室
検体を使ったカダバコースの風景です。
{ 卒業式 }
{ 卒業パーティー }