当クリニックでは開業2005年当時、ホワイトニングの認可がおりビヨンドシステム器機が日本で7台目の導入クリニックでした。
当時『ビヨンド器機』の社長自ら取り扱いの説明に来ていました。
歯が真っ白でピカピカ輝いていたのを思い出します。
日本の政治家の方々も、こんなに白さと歯並びを意識したらいいのにと感じた瞬間でした。
当時ホワイトニング剤は、知覚過敏を引き起こし、術中・術後1~2日間は大変しみるような、何とも言えない痛みが出て患者様は白くはなるけれどもう二度としたくないとおっしゃる方までいらっしゃいました。
ホワイトニング作用は過酸化水素が分解して生じるラジカルにより着色有機成分が酸化、分解されることで発現しますが、過酸化水素水っていわゆるオキシドールと同じ成分なんですね。
オキシドールは過酸化水素3%です。
ホワイトニングに使用する過酸化水素は35%まで高濃度になり危険性が増します。
40%以上のものもありますが、日本ではまだ認可が下りていません。
オフィスでは過酸化水素を使いますが、自宅で行うホームホワイトニングには過酸化尿素を主成分にします。
どう違うかといいますと…
過酸化尿素は酸化反応の過程で過酸化水素に変化します。基本的には同じですが、過酸化尿素の方が緩慢なのでホームホワイトニングに適しています。
ところで、この過酸化水素に増粘剤と触媒を配合することによって歯の表面にジェルとしてのせることができますが、当時はまだこの触媒が日本人のエナメル質向けに確立していなく、大変しみていました。
ポリリン酸®を使ったホワイトニング剤もありましたがポリリン酸®だけでは白さに限界がありました。
今では増粘剤としてシリカ、グリセリン、光に対する触媒で二酸化チタン、鉄などを加え、痛みなくより歯の表面で長時間作用しやすくなっています。
ホワイトニング剤の製造メーカーはこの触媒、光を使ったものは光の開発にしのぎを削っています。
触媒が新しくどんどん開発されているので、いまでは濃度が濃くても時間がかからず、快適にホワイトニングが行えます。
当時その痛みを軽減できないかと思い、ホワイトニング後のジェルを開発しました。
DNA複製の研究でアーサー・コーンバーク博士の元で研究されていました柴肇一先生がEXポリリン酸®の特許技術を確立しました。
その柴先生の研究していた工業大学へ足を運んでポリリン酸®に知覚過敏用の硝酸カリウム、中性フッ素、3種のハーブのマロニエ、シラカバ、ウイキョウエキスを配合して特別なジェルを作っていただきました。
知覚過敏の歯には救世主。
ホワイトニングの患者様にはこれでメンテナンスをしていただきました。
このEXポリリン酸®は柴先生の特許のためネットなどで売ることができません。
現在は新しく成分を配合し、私オリジナルの内容にしてネットでも販売できるようになりました。
他のポリリン酸が外来性ステインを減らす効果もあるという報告もあり、メタリン酸ナトリウムを使っています。
現在のホワイトニング剤は改良されていますが以前のような極端にしみるということはほとんどありませんので、安心してお越しください。
クリニックがホワイトニングを使い始めた歴史と、なぜジェルを作ったかについてお話しました。