歯周病でアルツハイマー病は悪化します。あるいはアルツハイマー病になる可能性がございます。
認知症の高齢者は毎年増加しています。2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になるといわれています。
認知症にはいろいろな種類があり、その多くは脳血管性認知症とアルツハイマー型認知症です。
歯周病にかかってしまいますとお口の中の菌が歯茎から血管内に侵入し、脳まで流れついて小さな脳出血を引き起こします。
その結果、神経細胞がダメージを受けて脳血管性認知症を引き起こすと言われています。
認知症の70%を占めるアルツハイマー病も、脳の神経細胞が減少したり脳全体が委縮したり脳の神経が様々な変化を起こします。
また、逆にヒト歯周病の歯茎がアルツハイマー型認知症の脳内老人斑成分産生されたことも分かりました。
九州大学の武州淳教授らの研究チームがマウスに歯周病原因菌を3週間連続で投与した結果、
マウスの脳内にあるアルツハイマー型認知症を引き起こすたんぱく質「アミロイドβ」が10倍以上に増え、記憶力が低下しました。
歯周病患者様の歯茎に生じたアミロイドβが血管を通して体内に侵入し、その後脳内に蓄積されて記憶障害などを引き起こす可能性がある。という発表がありました。
このような結果をもとに歯周病などの抗菌薬の研究が進められるといいですね。
まずは、認知症予防として歯周病の治療や、正しい歯磨き、定期的なクリニックでのプロケアをかかさないように心がけましょう。
2019年1月Science Advances誌に掲載された学術論文は、
アルツハイマー病患者の脳組織中にP.gingivalisが分泌するたんぱく質分解酵素であるジンジパインが集積している事実が明らかになり、
動物実験によってジンジパイン阻害薬の有効性が示されました。ジンジパイン阻害薬がアルツハイマー病治療薬として登場する日を待ち望んでおります。