歯科口腔外科で治療を行う部位は
①口腔内及び
②口腔内の疾病に起因する口唇周囲、顎等の領域に限定されています。
(日本口腔内外科学会ガイドライン)によります。
このガイドラインの中で患者様のお悩みを解決する方法を
まずボトックス治療からご紹介します。
◆ボツリヌストキシンとは
ボトックス治療に使われているボツリヌス製剤の成分はA型ボツリヌス毒素という食中毒の原因菌であるボツリヌス菌(学名:Clostridium botulinum)の作り出す猛毒の蛋白質を純粋に分離したものです。
(※ボツリヌス菌そのものを使用するわけではありません)
この毒素が筋肉の収縮を弱めるという性質に今から50年も前に着眼したのがこの治療法の研究の始まりでした。
毒素を薬剤として利用する!!びっくりですよね。
実はあのペニシリンも青カビから分離されたものなのです。
青カビが他の微生物よりも優位に生きるための阻害物質で後に抗生物質と呼ばれることになりました。
この2つに共通していることは微生物から医学的な治療に生かすことのできる特定の成分を純粋に分離し、治療に安全に用いる方法を確立したということです。
ボツリヌス製剤に関する研究・開発は1989年に米国で眼瞼痙攣の治療に用いる承認が得られたことを基準として現在は様々な治療に用いられています。
歯科領域では顎関節症や嚙み合わせに起因する筋緊張、エラ張りだったり、顎の梅干しじわや、笑うと歯茎が見えるガミースマイルに有効です。
筋肉の動きを抑制する働きがあるので、美容皮膚科では表情じわを目立たなくしてくれるのでよくおでこなどに注入します。
①エラ張り、顔の輪郭形成、頬の修復
奥歯を強く噛むことによって頬っぺたの筋肉が外に盛り上がっている方。
お顔がベース型に見えますこのような方にその筋肉部位にボトックス施術を行うことによって筋肉の収縮がゆるみ筋肉が弛緩し、顎の疲れや痛みが緩和されます。
お顔もキュット上がりシェイプされると同時にコラーゲンやエラスチン繊維の再構築が起こるので毛穴が閉じ、お肌がつるっと卵肌のようになります。もちろん ボトックスの効いている部分だけです。
くいしばり、歯ぎしりの強い方は歯が擦れにくくなり歯を守ってくれます。
②梅干しじわ
顎の下に力を入れたときにできる梅干しのようなしわもつるっとします。
③ガミースマイル
歯茎が笑うと見えてしまうガミースマイルの方もほうれい線の上にボトックスを注入するだけで口元が上に上がるのが抑えられますので歯茎が見えにくくなります。
この場合は、歯肉整形や上口唇の下方にヒアルロン酸を入れたミックス治療を行うとより効果的になります。
このように歯科から発信するボトックスは濃度も美容皮膚科とは違いますので表情を害することなく自然な『きれい』が作れます。
とっても有効なボトックス治療、ぜひ受けてみて下さいね。