前回はタバコを吸うことによって、お顔の表情など見た目が老けてしまう事をお話ししました。
今回は、タバコは歯周病の発症、進行に重大な因子であるということをお話しいたします。
タバコと関連のあるお口の中の病気として
1. 口腔粘膜
メラニン色素沈着、白板症、口腔癌、口内炎、扁平紅式苔癬、カンジダ症
2. 歯
タバコ色素沈着、歯石沈着、根面のムシ歯
3. 舌
舌炎、黒毛舌、味覚の減退
4. 口唇
角化症、口唇症、口唇癌
5. その他
口臭、唾液性状の変化
6. 歯周組織
歯周病、急性壊死性潰瘍性歯周病
この 6. の歯周病は、プラーク中に存在する最近の産生物質により歯茎の骨に炎症が起きて歯を支える歯槽骨が吸収され、歯を維持できなくなって、ぐらぐらしてしまう疾病です。
タバコによって歯周病にかかる危険は1日10本以上喫煙すると5.4倍に。10年以上吸っていると4.3倍に上昇し、また重症化しやすくなります
タバコの煙に含まれる「一酸化炭素」は組織への酸素供給を妨げますし「ニコチン」は一種の神経毒で、血管を縮ませるので酸欠、栄養不足状態になります。ニコチンは体を守る免疫の機能も狂わせますので病気に対する抵抗力が落ちたり、アレルギーが出やすくなります。
また「ヤニ」と いう形で歯の表面に残っているので、歯がざらざらしてバイ菌が張り付きやすくなるのはもちろん、いつまでもお口の中や歯肉にニコチンが染み出し続けることになるのです。
また歯周疾患細菌が多く定着し、歯周病変がさらに進行します。免疫 落ちてしまいます。
特にインプラントなどに関しては、一つの外科手術であることから、喫煙により歯周組織の毛細血管が収縮し血行不良となり、創傷治癒が遅れたり、インプラントと骨の結合に支障をきたすこともあります。また、白血球の機能が低下するために、炎症も起きやすくなります。
でも安心してください。
禁煙する事で歯周病のリスクが低下します。歯周病のかかりやすさは4倍も減ります。
手術後の治療経過も禁煙者は非喫煙者とほとんど差がなくなります。