最近、テトラサイクリン変色歯のホワイトニングの患者様が増えてきました。
以前はホワイトニングは禁忌とされてきましたが、現在は、ホワイトニング剤も改良され、白くできるようになりました。
テトラサイクリンとは、タンパク質合成を阻害し病原微生物増殖を抑えるように働くテトラサイクリン系の抗生物質の総称です。
日本で現在主に内服薬として用いられているのは、ドキシサイクリン(ビブラマイシン)とミノサイクリン(ミノマイシン)です。以前は、風邪薬のシロップとして一般に使用されていましたが、歯に対する副作用が1962年に初めて報告されてから最近は使用が控えられていますが、現在でも、呼吸器疾患、皮膚疾患、などに使用されています。ニキビの治療薬や塗り薬で処方を受けた方もいらっしゃると思います。
このテトラサイクリング系の抗生物質は、歯の形成期(0~12歳)頃に服用すると歯の象牙質に着色を起こしてしまいますし、エナメル形成不全を伴うこともあります。
蛍光粒子が含まれていて、この抗生物質を飲んだ時期が歯の成長期と重なると、その蛍光粒子が歯質に取り込まれて歯の萌出と同時に暗褐色の歯が生えてきます。
その程度は人によって様々ですが、黒に近い色の方もいらっしゃいます。
妊婦さんや、特に8歳以下への使用は気をつけたいものです。服用した時期によって着色の位置が異なり、前歯から6歳臼歯に左右対称に現れます。
この色は、紫外線によって濃くなるため、生えたての歯は着色がなくても数年で色が濃くなってきます。薄い黄色や濃いオレンジ、茶色の縞模様など様々です。
このような歯を白くする方法は
① ホワイトニングによる方法
それでも希望どうりにいかない場合は
② 歯の表面にマニキュアのようなダイレクトボンディング方法
着色が付きにくいようにする場合は、付け爪のような
③ ラミネートベニア方法
歯の裏全体を白くしたい場合は被せる
④ オールセラミック方法
と、ご希望や症状などにあわせてアレンジしていきます。
今回は、ホワイトニングでどれくらい改善されるかに的を絞ってお話しますと
1. テトラサイクリンの影響が少ない全体的に薄黄色の着色の場合
ホワイトニングを数回繰り返すことである程度 白くすることができます。
2. 全体に薄いグレーの場合
これも何回か続けると、グレー系の白さになります。
1も2も、歯に横縞の白い線が入りますが、回数を重ねると目立たなくなり、その白い線ぐらいの白さになります。
3. 濃いグレー、オレンジ、付け根が茶色の縞模様の重度の着色の場合
歯の付け根の色だけは薄くなりますが、切端ほどの白さにはなりません。
このような場合、先ほど申し上げたような方法を提案されることが多いのですが、当クリニックでは、ご自身の白くなった歯の色を活かし、付け根だけにダイレクト方法を行う方法をとっております。
歯にダメージを与えませんし、金額的にもリーズナブルにすみます。
是非、相談にいらして下さい。
きっと、「来てよかった!」 と思うと思います。