お顔の中心から奥の方へ数えて8番目の歯を親知らずといいます。
この歯は、生える時期がとっても遅く、平均寿命が短かった昔では、親が死ぬ頃に
なって生えたということからこのように名ずけられました。
正しくは智歯(ちし)または第三大臼歯と言います。
実際には20歳前後になって生えることが多いのですが、40歳代になってやっと生えることもあります。
歯は生命の進化とともに退化する傾向があり、大きさは大臼歯の中で最も小さく、形も萎縮したような変形が多くみられます。人によっては、左右上下4本ある方から全くない方まで様々です。
親知らずが引き起こすトラブル
1. 虫歯
親知らずは最も奥まった所に生えるため歯ブラシによる清掃が行いにくく、虫歯になりやすい環境下にあります。さらに生え方が悪いと、手前の歯との間に食べ物が残りやすく、手前の歯にも虫歯を作ってしまいます。
2. 完全に生えず(半埋伏)中途半端な状態が長く続くと周囲の歯肉を刺激し続け、歯肉が晴れたり痛んだりします。(智歯周囲炎)
智歯周囲炎は数カ月から半年ぐらいの周期で再発を繰り返すことが多くなります。
3. 特に水平埋伏の状態や斜めに生える歯では、前の方の歯を後方から押すために前歯の歯並びを乱すことがあります。
4. 上下の親知らずが正しく噛み合わさってないと顎の関節に負担をかけます。
5. 向かい合う相手の親知らずが生えないと、伸びだして頬や歯肉を傷つけてしまいます。
親知らず抜くの?抜かないの?親知らずを抜くかどうかの判断基準は?
◎抜かない場合、抜かなくてもいい場合があります。
・痛みや腫れなどの問題を起こしてない場合
十分に汚れを管理できる場合や完全に歯肉の中に潜りこんでいる場合は、抜かなくても大丈夫なこともあります。
・正常に機能している場合
奥歯として使えます。
・正しく生えていて、将来、手前の歯がダメになっても土台として使用できる場合
・歯を移植する場合
このように抜かずにそのまま様子をみることもあります。
いずれにしても患者様1人1人症状は違います。
上の親知らずは、ほんの数秒で抜けることが多いです。
下の親知らずが横になってる場合は歯を割ってとるので時間がかかります。
これが、当医院の抜歯がほとんどの場合、腫れない理由だと思います。