歯科でも漢方薬が処方できるんです 2022.2.1
2022年2月13日「日本歯科東洋医学会学術研修会」に行ってきました。
以前のマンスリーブログでも紹介しましたが、歯科でもあれから4種類増えて11処方ができるようになりました。
漢方薬治療も鍼灸治療もできますが、今回は漢方薬についてお話致します。
日本歯科医師会点数表に掲載されている漢方薬は
「口腔乾燥症」 五苓散 白虎加人参湯
「歯周炎」 排膿散及湯
「歯痛,抜歯後疼痛」 立効散
「口内炎」 茵蔯蒿湯 半夏瀉心湯 黄連湯
「口腔顔面領域の筋肉痛,神経痛,三叉神経痛」 葛根湯
「顎関節症,口腔顔面領域の筋肉痛」 芍薬甘草湯
「口腔顔面領域の疾患に関与する病後の体力低下や食欲不振」 補中益気湯 十全大補湯
芍薬・甘草入り 甘草入り
特にクリニックでは
・口腔乾燥症の患者様に五苓散
・なかなか治らない口内炎に半夏瀉心湯
・口腔顔面領域の疾患に関与する体力低下や食欲不振などに補中益気湯
を処方します。
↑五苓散服用
咀嚼ができにくかったりした場合は唾液の分泌が低下しますので補綴物を作り義歯やインプラントなど適正な嚙み合わせを作り、歯ぎしり食いしばりなどには噛み合わせ調整とマウスピースで対処します。
治療してもどんどん進行する歯周病は頻繫な定期健診で歯石や汚れを取り除き、唾液分泌の低下や歯ぎしり食いしばりなどこれらの問題には免疫力、血流、ストレス、抗酸化力が関わってきます。
血流↑アップ 十全大補湯
免疫力↑アップ 補中益気湯 十全大補湯
ストレス↓軽減 補中益気湯
抗酸力↑アップ 11種類全部
これらの漢方薬が有効です。
このように歯科に関わる症状に処方する漢方薬は全身の健康維持につながります。
ドラックストアで売っていますが高くて効果が劣るようですので医療処方で出した方がよいとうことです。
漢方薬は西洋薬にはない多才な作用を有し体質を改善して未病への予防もしてくれます。
身体に優しい漢方を症状に合わせて処方しますので漢方でお願いしますと来院して下さいね。
3Dスキャナーで一歩先を行く診療を実現 2022.1.1
マウスピース矯正、インビザラインの矯正装置を作製する時『iTero Element(アイテロ エレメント)』という3Dスキャナーで採取しています。
今までは『シリコン印象』という精密印象材で、型をとるため嘔吐反射がある方は特に大変でした。
この『iTero』の導入で快適にしかも精密に歯型をとることができます。
これまではシリコン印象した歯型をアメリカまで空輸していたのですが、今ではデータをインターネットで送りますので1~2週間も早く治療をスタート出来るのです。
単なる口腔内スキャナーではなく
・3Dデジタル印象、ジルコニアなどの補綴物の型取りも行います
・口腔内カラー写真
・経時的変化を記録することで患者様により理解して頂けます
・嚙み合わせの強い所、弱いところなどの咬合診断
・隣接面の虫歯の発見
・歯がどのように動いていくかのシュミレーションシステム
・もちろん口腔内カメラとしても使えますが、なんと言っても放射線照射なしなのです。
近赤外光画像(NIRI)技術で歯の内部構造をリアルタイムでスキャンしデータ化します。
普通のレントゲンでは心配という患者様に早期発見に役立ちますね。
矯正だけでなく嚙み合わせが不調の方も先進的な視覚化ツールで患者様は御自身の口腔内状態についてリアルタイムで知ることができます。
私達クリニック側からも、診断と治療のワークフローがよく患者様の石膏模型もスキャンデータでクラウド上に保管できるのも助かります。
今年もどんどん進化し続けますのでどうぞよろしくお願い致します。
新しい脂肪溶解注射〝ヴィーナス注射〟2021.12.1
リポスカルプディングス植物性由来の「BNLS注射(BN Liposculpting Solution)」バージョンアップしてヴィーナス注射を導入致しました。
脂肪分解+代謝促進+血流改善の効果を最大限に発揮します。
ヴィーナス注射の特徴は
①脂肪細胞の数とサイズを減らして脂肪の減少を最大化します。
②脂肪代謝を高めてエネルギーに変換します。
③リンパ腺の循環を促進し分解した脂肪を急速に排出します。
④なんと言ってもデオキシコール酸を0.5%に抑えられたことによって、脂肪分解酸素を活性化しより効果が高まり、血流やリンパ系の改善を促すので腫れなどを抑えてくれます。
クリニックではお口の中の頬っぺたから注射をして、脂肪を取ることをおすすめしています。
その他、新薬として脂肪吸着素材
シルクフィブロインを合着した(シルクタンパク質)『Serum-SilkFibroin』のジェル状のサプリも用意致しました。
肥満…内臓脂肪型(メタボリックシンドローム)+皮下脂肪型
肥満が原因で色々な病気を併発させてしまいます。
肥満の人は歯周病になりやすいことが最近の研究により明らかにされました。
そのわけは、脂肪組織で作られる『TNF-α(ティーエヌエフ・アルファ)』という物質は、歯を支える骨(歯槽骨)を溶かし歯周病を発症、進行させる作用があるのです。
肥満によって糖尿病になりますと血糖値が高くなります。
唾液や歯肉のブドウ糖の量が増えます。
このブドウ糖は細菌が活発化する原因になり歯肉に悪影響を及ぼします。
歯周病と肥満は相互に関連しています。
歯周病は肥満を引き起こし、肥満が歯周病を悪化させます。
なぜクリニックで見た目だけではなくこのような脂肪を撃退する方法取り入れているのがおわかりですね。
歯周病とメタボリックシンドロームの関連性は明らかになってきているのです。
入れ歯の材質、デザイン向上 治療技術は日々進化 スプリントデンチャー® 2021.11.1
奥歯がなくてブリッジ(抜けた歯の両側に健康な歯がある場合)ができない‼
そんな時、部分入れ歯になりますね。
今では針金のないタイプやチタンを使ってより薄くしたり、シリコンを入れてクッション性を高めたり、マグネットでカチッと接着させたり、インプラントを入れてそこを土台にしたり沢山の選択枠があります。
問題になるのは嚙み合わせが低くなっていたり、不安定だったり抜歯を予定していたり抜歯をするかどうか判断の途中だったり
そんな時、移行的に機能も審美も叶えたい‼
そこで考えられたのが『スプリントデンチャー®』
千葉で開業されてます古谷彰伸先生によって商標登録されましたが、私は『スプリントデンチャー®研究会』の理事をしております。
スプリント(マウスピース)を取り外せる義歯として人工歯を入れたり嚙み合わせを高くしたりします。
奥歯だけではありません。前歯がほぼなくなってしまい、奥歯も嚙み合わせが不安定な患者様にも有効です。
将来の自分の歯並びのイメージがつきやすいですね。
これはあくまでも移行的な義歯ですが、残りの歯をどうしようか、1本1本の治療に時間がかかっている患者様など、1年に1度作り変えていらっしゃる方もいます。
酸蝕症で歯を失っている若い方から年配の方まで幅広く対応できますのでぜひ相談にいらして下さいね。
義歯もない噛み合わせも心配な方の大きな救済になることでしょう。
上の歯がメインになりますが、20,000円(税抜)と人工歯5,000円(税抜)ほどになります。
令和時代の歯周病治療とは 2021.10.1
虫歯、歯周病治療を防ぎ健口を守る最新の病因論についてお話致します。
実は歯周病は完全には治らないのです。
これまでの歯科医療は『削る、詰める‼』で虫歯は治った‼
歯石を取った歯肉をソウハしたりで歯肉ポケットはほぼなくなったから歯周病は治った‼
そんな時代でした。
この15年で歯周病の病因論は大きく変わりました。
歯周病菌が脳や心臓、認知症の発症の原因になります。
歯周病菌は細胞の中に入っていって現代の科学では追い出せません。
①滅菌ができない
②病原性のバイオフィルムの中の細菌はどんな薬を使ってもなくならない
③歯周病菌は歯茎、舌、頬粘膜や細胞の中に住む
そして細胞から細胞へ移動してきます。
虫歯菌と歯周病菌は常在菌です。
1歳半~2歳半でお父様やお母様の唾液で感染します。
上顎と下顎の成長がとまる18歳以降に歯周病菌は感染します。
口移しや直箸などは気をつけて下さいね。
そしてなぜ、歯周病が発症するのかと言いますと〝Microbial shift〟といって善玉菌と日和見菌と悪玉菌のパランスが崩れることから発症します。
私達、歯科医も患者様もお口に中のバイオフィルムの中の細菌を悪玉菌が増えないように管理することが大切です。
生活習慣の管理も大切。
日々のブラッシングで血液が出たら要注意‼
汚れで歯周ポケットの中に潰瘍面ができた証拠です。
歯周病菌はpH.8で元気になり血液の中の鉄とタンパク質を必要栄養素にどんどん増えてしまいます。
適切なブラッシングとクリニックでの〝SRP〟と言いますが、この潰瘍面を修復する処置をしてもらいましょう。
それとこれから大事になってくるのは、お口に中に〝Red complex〟という重度の歯周病に影響のある
♦P. gingivalis
♦T. denticola
♦T. forsythensis
の菌がいるかいないかを確かめること歯周病が発症する前に検査をします。
クリニックではADCHECK®(アドチェック®)という歯周病細菌検査を行っています。
2,000円で受けられますのでぜひお声掛け下さい。
結果から、患者様1人1人に合わせた治療と予防を行います。